活動・事件紹介・弁護士コラム

日本国憲法のポンチ絵

2021/02/17
 私は富山県弁護士会の法教育委員会に所属しています。「法教育」とは、難しい言い方をすると、子どもたちに、個人を尊重する自由で公正な民主主義社会の担い手として、法や司法制度の基礎にある考え方を理解してもらい、法的なものの見方や考え方を身につけてもらうための教育です。
 
 2018年は数回、法教育委員として県下の高校で授業を行う機会がありました。その際に私は、日本国憲法がどんな“かたち”か高校生にイメージしてもらいたくて私が描いたポンチ絵を見てもらうことにしています。
 
 
 個人の尊重こそ最高の価値。国会・内閣や裁判所はそのために奉仕する。主権者国民と国会は本来イコールのはずが小選挙区制度で歪んでいる……。主権者国民と裁判所を実線で結ばないのは、国民世論を考慮しつつも法と道理に基づいて自律的に判断してこそ司法の役割(突き詰めれば政治的少数者の救済)が果たせる。そして、個人が尊重されるこうした仕組みの運営には平和の環境が必須であり、戦力不保持の憲法9条2項は平和のための最も確かで現実的な政策(伊藤真ら著『憲法9条の挑戦』大月書店を読み、ますますそう確信しました)だと私は思う――こういった説明をします。高校の授業ではここまでですが、このポンチ絵に向かって「⇔」描いて、外側に「日米安全保障体制」と書き加えることもあります。
 
 “日本国憲法のかたち”を壊さずに明日の主権者・子どもたちに手渡せるよう、微力を尽くす決意です。宜しくお願いいたします。

ページトップへ