法律Q&A

家族が逮捕された場合,家族に弁護人をつけるにはどうすればいいのですか。

 法律上,逮捕されたご本人には,弁護人をつける権利が認められています。ご本人の配偶者,直系の親族(両親,祖父母,子,孫など),兄弟姉妹にも,ご本人に弁護人をつける権利が認められています。(弁護人選任権)
 
 なお,逮捕されていない被疑者(犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている方のことを「被疑者」と言います。マスコミ用語では「容疑者」と呼んでいます)や,その配偶者,直系の親族,兄弟姉妹にも,被疑者に弁護人をつける権利が認められています。
 
 この権利は,①弁護人の助けを受けることにより,捜査機関と被疑者との知識・経験の差を埋めて,被疑者の防御権を確保する(例えば,捜査機関による不当な取調べにより自白を強要されていないか弁護人がチェックしたり,裁判所に対して身体拘束からの解放の手続をしたりするなど)とともに,②外部との接触が限定されている被疑者に代わって弁護人が外部との必要な連絡や交渉を行い防御権を実質化する(例えば,被害者に対して弁償をしたり,家族や雇用主に対して監督を依頼して更生環境を整えたりする)ために認められています。
 
 ですから,知っている弁護士に依頼したり,インターネットなどを利用して弁護士を探して依頼したりして,ご家族に弁護人をつけることができます。

 (被疑者国選弁護人制度)
 逮捕に引き続き「勾留」された場合,ご家族の資力が十分でないと判断されれば,裁判官に対して「勾留」されたご本人が請求することにより,国選弁護人をつけることができます。
 
 一方,資力が基準を超過しているときについては,知り合いの弁護士に依頼したり,弁護士会に紹介してもらったりする必要があります。

 (当番弁護士制度)
 ご家族が逮捕された場合,逮捕されたご本人又はご家族の依頼により,弁護士が1回だけ無料で逮捕されたご本人と接見する当番弁護士制度があります。
 
 逮捕された直後,逮捕されたことによる精神的な動揺や「これからどうなるのか」・「どうすればよいのか」わからない不安を抱えることになります。
 
 場合によっては,このような動揺や不安から,実際にはやっていない犯罪をやってしまったと供述してしまうこともあり,冤罪を生み出す原因にもなります。
 
 そのため,逮捕後,早期に弁護士が接見し,ご家族から現状を聴き取ったり,手続きの説明や権利の再確認などを行ったりすることで,ご家族の動揺や不安を解消するとともに,権利行使を可能するために,当番弁護士制度というものが生まれました。
 
 ただし,同制度は,あくまで1回の接見のみを予定しているので,その後の弁護については,別途,弁護士に依頼するか国選弁護人の請求をするかしなければなりません。

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