法律Q&A

当社の代表取締役が,取締役会に諮ることなく会社のお金を親族に貸し付けたものの,回収不能になってしまい,当社に多大な損害が生じました。代表取締役の責任を追及する方法として,どのようなものがありますか。

 責任追及の方法として考えられるのは,①損害の回復については,代表取締役に対する損害賠償請求,②地位については,取締役会における代表取締役の解任(代表権を奪うのみで,取締役としての地位は残ります。)のほか,株主総会における取締役の解任ということもありえます。手段として解任が厳しいという場合は(任期満了まで月日がある場合には)辞任を迫るということも考えられます。
 ①任期中の解任ないし辞任の方法をとる場合は,取引先や会社内部への影響や,持株割合(代表取締役及びその協力者が株主総会にどのくらいの影響力を持っているか)などを考慮する必要がありますし,手続に不備があると,あとで地位確認訴訟や株主総会決議取消訴訟などを提起されかねません。
 また,②代表取締役に対する損害賠償請求の方法については,代表取締役が自身に対して訴訟をするわけにはいきませんので,代表取締役をすげかえた上で請求をするか,そうでなければ株主代表訴訟をするしかありません。
 いずれの方法をとるにせよ,内外への影響を考えたり,後でひっくり返されないような段取りを考えたりする必要がありますので,予め弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

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