新しい家に住み始めてから3年目に,家に不具合が見つかりました。3年経っても,不具合を直してもららったり,損害賠償請求したりできますか?不具合を直してもらったり,損害賠償請求したりするのに期間制限はないのですか?
①新しい家を建築会社に依頼して建ててもらった場合,すなわち,請負契約の場合
民法638条で,木造,地盤の「瑕疵(かし)」(欠陥のこと)については,引渡しから5年間,石造,土造,金属造の瑕疵については,引渡しから10年間などと定められています。もっとも,この規定は,特約によって期間を短縮したり出来るとされていて,一般に広く利用されている標準的な約款では,木造建物は引渡しから1年間,コンクリート造建物や地盤の瑕疵は,引渡しから2年間というように期間が短縮されているので注意が必要です。
また,後記の「住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」による修正もありますので,注意してください。
②新しい家を不動産業者から購入した場合,すなわち,売買契約の場合
民法570条で,契約の解除や損害賠償につき,買主が瑕疵の事実を「知ったときから」1年間とされています。
この場合も,特約によって期間を短縮できたりしますので,注意が必要です。一般的には,特約によって「引渡し」(瑕疵の事実を「知ったときから」ではなく,家の「引渡し」を受けたときからということ)から2年間とされていることが多いようですので,契約書を確認しましょう。
なお,後記の「住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」による修正もありますので,注意してください。
③住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)による修正
2000年4月1日以降の売買,請負の各契約による新築住宅については,「構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分」に限り,引渡しから10年間として,期間短縮の特約は無効とされています。
④建築工事会社の保証
建築工事会社が独自に保証をしていることがあります。そのような場合には,当然,保証書の内容に基づき,瑕疵の修補を請求したりできますので,お手元の保証書をご確認ください。