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B型肝炎ウイルスが原因で慢性肝炎を発症された方に対する勝訴判決が下されました

2017/12/12
 2017年12月11日、福岡地方裁判所において、B型肝炎ウイルスが原因で慢性肝炎を発症された方に対する勝訴判決が下されました。
 この原告は、裁判を提起する約21年前に慢性肝炎を発症された後(この時点ではHBe抗原が陽性でした。以下では「HBe抗原陽性慢性肝炎」と言います)、いったんHBe抗原が陰性化して治療が終了していました。しかし、その後、再び、慢性肝炎を発症してしまいました(この状態のことをHBe抗原陰性慢性肝炎と言います。)。
 民法724条には、「除斥期間」(不法行為の時から20年が経過した場合に損害賠償請求権が消滅する)の定めがあり、国は、裁判において、この「除斥」に該当すると主張しました。
 B型肝炎に関する給付金制度では、慢性肝炎を発症している原告のうち「除斥」に該当する場合と該当しない場合で給付金の金額が異なり、「除斥」に該当する原告の給付金のほうが低く定められています。
 しかし、そもそも長期間にわたって慢性肝炎で苦しんできた方には、より手厚い補償を行うべきですから、「除斥」に該当する方の給付金のほうが低く定められていることは正義に反します。
 そこで、今回、福岡地方裁判所において、上記の原告ともう一人の原告が「除斥」の不当性を訴えていたのです。
 その結果、福岡地方裁判所は、HBe抗原陽性慢性肝炎とHBe抗原陰性慢性肝炎では損害が別である、HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したときを除斥期間の起算点とすべきであるとした上で、「除斥」に該当しないとして原告の主張を全面的に認めました。
 この判決は、「除斥」に関する問題の中の一類型に対する判断を下したものではありますが、「除斥」に関する問題を抱える方々にとっては、大きな意味のある判決ですし、今後、国には、この判決を重く受け止め、長期間にわたって慢性肝炎で苦しんだ方々に対する手厚い救済をしていただきたいと思います。
 なお、12月13日にB型肝炎に関する無料電話相談を行いますので、お気軽にお問い合わせください。

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